現在、多くのスマートフォンに導入されているリチウムイオン電池。
どんどんスマホが高性能になっていく中、バッテリーの持ち時間も年々上昇していっています。
大容量のバッテリーや省電力技術により飛躍的に上がったスマホの駆動時間ですが、いずれリチウムイオン電池では頭打ちになっています。
「バッテリーが何日も持ったらなー」
と誰もが一度は思ったことがあるでしょう。
そんな悩みを解決してくれるのが、全固体電池です。
この技術によりバッテリーの持ち時間が現在の数倍と飛躍的に延ばすことが可能となります。
今回はこの全固体電池について見ていきましょう!
全固体電池とは?
簡単に説明すると今のリチウムイオン電池には電解液というものが入っており、内部は完全な固体ではありません。
全固体電池は内部の構成が全て固体である電池を指します。
では全固体にすることでどのようなメリットがあるのでしょうか?
全固体電池でバッテリーの安全性の向上
現在のリチウムイオン電池は一昔前と比べて比較的安全性が高まりましたが、性質上電解液に有機溶剤系の材料を使用するために、電解液に引火すると電池が破裂・発火に至る場合があります。
固体電池は固体の電解質を使用するために、発火するリスクが大幅に低減されスマホやEV自動車などの大容量のバッテリーを積む製品の安全性が飛躍的に向上します。
全固体電池は劣化がしにくい
全固体電池はリチウムイオンである陽イオンのみが電解質の中を移動し、陰イオンの移動は原理上しないです。
陰イオンは劣化の元となる副反応を起こすものであるが、それが原理上なくなるため劣化が抑えられる。
研究段階では250回の充電で元の容量の98%は維持できるという。
今のリチウムイオン電池は500回ほどの充電で元の容量の80%程まで劣化するため、耐久性が非常に高くなる。
この固体電池がスマホに搭載されれば、バッテリー交換の概念がなくなるかもしれない。
恐らく、バッテリーより先に本体の基板が劣化してしまう。
全固体電池は生産性が高く、より小さく設計が可能
固体電池は電解液を使用しないことから生産性が非常に高いです。
そして、同じく電解液を使用しないことから薄型で生産が可能となり、バッテリー自体の容量拡大・狭いペースに大容量のバッテリーを積むことも可能になります。
ナノテクノロジーの分野での活躍が期待できそうです。
全固体電池は動作温度範囲が広い
全固体電池は-30℃でも+100℃でも動作できます。
リチウムイオン電池は60℃以上になると劣化が進み、温度が高すぎると爆発などの危険性があるため大容量のバッテリーを積むEV自動車などは正確な温度管理が必要です。
その点固体電池は扱いやすく、外部設計も単純ができることになります。
では次に蓄電量について見てきましょう!
全固体電池の蓄電量
全固体電池は現在のリチウムイオン電池の3~5倍の蓄電が可能となると言われています。
この容量は開発を進めていく上でさらに増えることが予想されます。
勿論、固体電池が一般的に世に出るころには内部の制御チップ等も性能が向上しているため、数日充電をしなくてもバッテリーが持つ時代が来るかもしれません。
スマホだけでなく、EV自動車等も応用がされることが期待されます。
全固体電池が汎用されるようになった後の未来
全固体電池が世の中に出た後、電子デバイスやEV自動車・これまで安全性の問題からバッテリーが搭載出来なかった機器などにどんどん汎用されていくでしょう。
そして、デバイスはもっとパワフルに長く動作出来るようになり、充電にかかる時間も短縮できることが期待されています。
EV自動車の分野では走行距離や充電時間の問題により普及が遅れていますが、この固体電池の登場により走行距離はより長く、充電時間はより短くなり普及率が上がることが予想されます。
スマホは小型でさらにパワフルなものがどんどん登場してくるでしょう。
この全固体電池の登場はもう間もなくとされています。
2020年を超えるころには様々なデバイスに組み込まれてくるでしょう!